BI-Techとは、Behavioral Insights（行動科学的知見）とTechnology（AIやIoT技術）の組み合わせを指します。本アプリ（以下、BI-Techアプリ）は、IoTデバイスによる計測とAIによるデータ解析によって、オフィスの快適性や健康性を維持し、利用者の環境改善行動や省エネルギー行動を引き出すことを目的に制作されたアプリです。室内環境を計測するための専用デバイス（以下、室内計測デバイス）と組み合わせて用いることで、機能します。
BI-Techアプリと室内計測デバイスを組み合わせたBI-Techシステムは、九州大学、香川大学、北九州市立大学、崇城大学の4大学とアルキテック株式会社の共同研究によって生まれました。長年に亘る居住者の省エネルギー行動を引き出すための行動変容（ナッジ）研究に基づき、開発されたもので、効果的なタイミングでアプリを介して、居住者に適切な行動アドバイスを送ることを第一の目的としています。室内計測デバイスでは、温度、湿度、気流、照度、CO2濃度を計測しており、計測結果はデータサーバーに自動的に送信されて解析されます。解析結果に基づいて、BI-Techアプリに対して通知が送られ、アプリ利用者は行動を起こすことができます。主に、室内環境改善と省エネルギー実現のための窓開け要請、空気質改善のための換気要請、空調設定温度の適正化要請、照明の消し忘れ発生お知らせの通知機能を有しており、今後も通知内容を拡張していくことを予定しています。
室内計測デバイスとBI-Techアプリの連携は2次元バーコード（QRコード）によって簡単に行うことができます。デバイスに貼られたQRコードをBI-Techアプリで読込むことで、自身のオフィスに設置されたデバイスとQRコードが紐付き、計測値をアプリで表示することができる様になります。大規模なオフィスで、複数台のデバイスが設置されている場合でも、それぞれのデバイスのQRコードを読込むことで、複数台の室内計測デバイスの計測結果を表示し、それぞれの解析結果に応じた行動アドバイスの通知を受けることができます。
この他に、省エネ行動申告機能を有しており、BI-Techアプリ利用者は、日常的に省エネ行動申告を行うことで、ポイントを溜めることができます。ポイントは一定量溜まると景品に応募することができ、一定期間ごとに行われる景品の抽選によって、BI-Techアプリ利用者は、景品を得ることができます。これは、アプリ利用者の行動促進を後押しするものであり、インセンティブ（景品）によって行動変容を促すとともに、BI-Techアプリ利用者の省エネルギーへの貢献を可視化し、環境意識を向上することに寄与します。
BI-Techシステムは、まだ研究段階にあり、今後も改善を続けていきます。BI-Techアプリも改善を行っていく予定であり、今回のBI-Techアプリ公開は、BI-Techシステムの有効性を検証するために期間限定で行うものです。今後、BI-TechシステムにはAIによる解析機能を付加し、省エネルギー診断や建物改修・設備更新提案などを含めて行くことを予定しています。